まっ赤な麦わら帽子

まっ赤な麦わら帽子

美少女・きまぐれ・ミステリアス 少年・トキメキ・とまどうばかり・・・

あらすじ

春日恭介は新しい街に引っ越してきたばかりの少年で、ある日、100段ある階段を上がっていると、UFOのように見える麦わら帽子が飛んできます。恭介はこの帽子を見事にキャッチし、その持ち主である可愛い女の子と出会います。二人は階段の段数について軽く口論になりますが、すぐに打ち解けて笑い合います。女の子は恭介に帽子をプレゼントし、恭介はこの街が気に入ったと感じます。

帰宅すると、恭介は超能力を持つ一家の一員であることが明かされます。家族は物を浮かせる能力を持っていますが、恭介は普通の生活を望んでいます。翌日、恭介は7回目の転校先の学校で新しいクラスメートと出会い、友人を作り始めます。しかし、不良と噂される鮎川まどかの存在が気になり始めます。

一方、妹たちも新しいクラスで友達を作りますが、くるみがうっかり超能力のことを話しかけそうになります。恭介は学校での生活を楽しんでいるようですが、くるみが校舎裏でタバコを吸っている生徒とトラブルになります。

その生徒の一人が、前日に帽子をくれた女の子で、彼女の名前は鮎川まどかと判明します。恭介は彼女に再会し、彼女がタバコを吸うのをやめさせようとしますが、その過程で彼女にビンタされます。

最後に、恭介は自宅で鮎川にもらった麦わら帽子をかぶり、彼女のことを思います。

詳しい内容

じゅういち、はちじゅうに、はちじゅうさんと階段を上がって来る恭介。

ふう、暑いと一言。

ざっと100段はあるな!と。
「おー気持ちいーーー」
UFOのような物体が見える恭介

よく見ると帽子、しかも麦わら帽子だった。

「帽子?麦わら帽子か」
帽子がクイッと下へ。「こっちに落ちてこい」と心へ念じる恭介

落ちてきた帽子をジャンプしたキャッチした恭介

すると「ナイスキャッチ」という声がした。

次のページで、女の子が登場。「今の風で飛ばしちゃったの」

可愛い子と心の中で思う恭介

「よかった ずっと下まで落っこちていっちゃったと思ったから」と女の子

「たいへんなのよね この階段長いから・・」と女の子

「う、うん、、、長いね」と恭介

「なんたって99段もあるんだから」と女の子

「へえー、98、99・・・100!」と恭介

女の子と目を合わせる恭介。段数が違う

「うそ〜〜99段しかないはずよ!」と女の子
「でも・・・ちゃんと下からかぞえたよ」と恭介
「そんなはずないわ!」と女の子

「あたしがかぞえた時は99段しかなかったわ」と女の子
「かぞえまちがえたんじゃないの?」と恭介
「あらよく言うわね!」と女の子
「あなたこそまちがえたんじゃない?」と女の子
「いーえちゃんと100ありました」と恭介
「99よ!」と女の子
「100だ!」と恭介
「99!」と女の子
「じ、じゃあこうしよう!」と恭介
「あいだをとって99.5段」と恭介
笑い合う二人
「こんなこと・・・どーでもいーことなのにね」と女の子
「それもそーだ」と恭介
「あなた、、、この街の人じゃないでしょ!」と女の子
「えっ」と恭介
「なんで・・・わかる?」と恭介
「だってなまってるもの!」と女の子
「え、そーかな?」と恭介

「もうそろそろ行かなくちゃ」と女の子は階段を下り立ち去ろうとします。

「じゃね!」と女の子の挨拶に、恭介は「バイ!」と一言

心のなかで恭介は、「オレ 春日恭介」といい、「あ」と女の子に言う、

「おーい帽子!」と女の子に恭介は言う。心のなかで恭介は「ある理由で今日この街に引っ越してきたんだけど・・」と思う。

「あげるわ!」と女の子
「え?」と恭介
「なかなかにあってるよ それ」と女の子
「はっきり言ってこの街 気に入っちゃったよオレ!」と心のなかで思う

場面変わってマンションに帰ってきた恭介。
「ただいまー」と恭介
「おにいちゃあぶない!」という妹の声とともに、突然、目の前にタンスが飛んできて、恭介はそれに当たり倒れる。

恭介のナレーションで「突然で驚かれたでしょうが、、、」
「実はうち、、、はずかしながら、超能力一家なんです」と恭介のナレーション。

妹二人がタンスや椅子や雑貨を超能力で浮かしているところが描かれる

「ちょっとくるみ!あなたのせいよ」とまなみ
「だってぇータンスなんで能力使わないと運べないんだもーん」とくるみ
「それはうらやましいですって?!とんでもない!」と恭介のナレーション
「あーもーいやだこんな生活は」と恭介
「くるみ、いいか、今度の転校だっておまえが前の学校の体育の時間に100メートルを3秒で走ってしまったからなんだぞー」と恭介
「ナナハンじゃないんだぞ人間は!」と恭介
「ふつーの男の子になりたい!!」と恭介のナレーション
「そのとおり」とお父さんの声
「恭介のゆーとおりわしら一家の持っている能力は人前では絶対使っちゃいけない!」とお父さんが新聞を読みながら言う。
「また奇人変人よばわりされて引っ越すことのないようにな!」とお父さん
「といーつつお父さんもパジャマきて新聞なんか読んでる時じゃないでしょ」とまなみ
「あらためて家族を紹介します・・・・オヤジ」と恭介のナレーション
「ふたごの妹たち、くるみとまなみ」と恭介のナレーション
「さあさあお兄ちゃんも手伝ってね、さぼってたんでしょ。あしたから学校よ!」とまなみ
「みなさん能力のことはくれぐれも内緒に・・・恭介」と恭介のナレーション

場面変わって学校のシーン
先生が「転校歴7回の春日恭介くんだ」と言う
「よろしく!」と恭介
「えっと春日くんの席は、、と」と先生
「しかし、すごいねキミ7回ってのは、、、」と先生
「はあ」と恭介
「勝手知ったる転校ベテラン!あ ここですね席は」と恭介は空いてる席にすすんで席に座ろうとする。
「あ!そこじゃない」と先生が止める
「そこは鮎川の席だ」と先生
「あー欠席」と恭介
「いや、、、きてることはきてるんだが」と先生
「?」と不思議に思う恭介
「先生ここあいてまーす」と小松が言う
恭介はその席へ座る
「へへへへ いらっしゃーい」と小松
「よろしくオレ小松っていうんだ」と小松
小指を立てて「こっちのほうでわからないことはきいてくれよ。たぶん教えてやれそうだぜっ!」と小松
くすっと笑いながら「ありがと」と恭介
「あの、、、さっきの席の人はえっと、あゆ・・・」と恭介
「あーあの不良 鮎川まどかだろ!」と小松
「エスケイプ つまりサボリ!」と小松
「サボリ?!」と恭介

場面が変わって教室のシーン。
くるみとまなみがクラスで友達と談笑している
「ふたりともこのクラスってのはラッキーだったよな」と男友達
「オレなんかあしたから学校くんのに生きがい感じちゃうよー」ともう一人の男友達
「でもあなたたちどうして7回も転校したわけ?」と女ともだち
「ああそうね」と女ともだち
くるみ「ジャーン! にゃんと実は前の学校であたし100メートルを3秒で・・・」
まなみ「くるみ!!」
まなみがくるみの口を手で塞ぎながら「な、なに言ってんのよ
ちがうでしょ ちがうでしょ ほらあ!」と
「趣味なんです あたしたち引っ越すの」とまなみ
ドッと笑う友達たち
お昼休みになって、メロンパンやいもサラダパンやコロッケパンを買うのに争うシーンが描かれます

小松「やったー今日はついてるぞ 幻のカツサンドが手に入るなんて」と恭介に言う
恭介は弁当を持ってきてた
恭介と小松は階段を降りながら話す
恭介「にぎやかな学校だね」
小松「そーだろ ここは中学、高校、大学とみんなあるからな それにけっこー女の子多いんだぜーー」

小松「だからまあここの生徒は ほとんど温室育ちのボッチャン ジョーチャンってとこかな」
恭介は小松を見ながら苦笑して「音質育ちねえ」と
小松「あれ?やっぱ見えない?」
小松はよそを見て「お」
小松「ち ちょっとあれ見ろよ春日くん」
恭介も思わずそちらを見る
小松「ほら髪の長いちっちゃい子 オレ好み」
恭介「なんだくるみじゃないか」
小松「なんで知ってるの?意外と手早いんだなー」
恭介「妹だと」
まなみが恭介を見つけて声をかける
まなみ「お兄ちゃん」
恭介「よぉ、まなみ、くるみのやつ大丈夫か?使ってないだろうなぁ」
まなみ「大丈夫!あたしがちゃんと見てるもん まかせといて」
小松のそのやり取りを見て驚く

小松は恭介になれなれしく接して、妹と仲良くしようとする

放課後、恭介が妹たちと帰ろうとすると、くるみはクラブに入りたいからと一人行動を取ってしまう。
それを心配した恭介がくるみを探しにいく。

校舎裏に行ったくるみの悲鳴が恭介に聞こえて、恭介も駆けつける

くるみ「たばこすってる」
ひかる「あーびっくりした なんだよおまえはあっちいけ」
くるみ「中学生はたばこすっちゃだめなんだから」
ひかる「おまえ見かけない顔だな ここの生徒か」
くるみ「あたし今日転校してきたの」
ひかる「そうか新入りか」

ひかるがくるみに「転校生なら教えてやるよ あたしたちにかかわると怖い目にあうってことをね」と手をくるみの顔に持っていって言う

そこに恭介とまなみが駆けつけて見つける

すると次のシーンで、ひかるともうひとりの女性がいるのが分かる。

その女性が恭介に帽子をくれた女性だった。

恭介は、「キミはたしか昨日帽子をくれた」と言う。女性は、恭介だと分かり、吸っていたタバコを思わず落としてしまう。

一瞬ビックリした女の子だったりすぐに気を取り直して「そう、あんたこの学校に来たの」
ひかるが「えーなにー鮎川さんのダチ?」と言う
鮎川「いや、知らないよこんなやつ!」と言う
恭介は、鮎川という名字に気がつく

教室でエスケイプしていた女性が鮎川であり、帽子をくれた女の子だったことに気がつく恭介
恭介は心のなかで「鮎川まどか あの席彼女の席だったのか」

鮎川は、恭介のほうをじっと見つめたあと、すっとタバコを一本取り出して火をつける。恭介に対するあてつけのようだ。

恭介は心のなかで「オレってそんなにまじめな少年じゃないけど、こーゆーのはやっぱり嫌いだ」と思う

そこで恭介は、能力を使ってタバコの火を消す

鮎川は不思議に思うが、もう一度タバコに火をつけてみる。それをまた恭介が能力を使って消す

ひかる「あれ!また消えた」

まなみ「お兄ちゃん、だめよこんなところで使っちゃ」

恭介「中学からタバコなんか吸ってると丈夫な赤ちゃん産めなくなるぜ」と鮎川に向かっていう。

少し赤くなる鮎川

「決まったなと」と思ってカッコつける恭介

次の瞬間、鮎川のビンタが恭介に直撃

「初対面のレディーに向かって いう言葉じゃないね、ぼーや」と鮎川

そのまま立ち去る鮎川

びっくりする恭介、そのまま呆然

次のシーンでは、自宅マンションの自分の部屋で、鮎川にもらった麦わら帽子をかぶって、物思いにふける恭介。「この帽子をくれたのは、あの子だよなやっぱり」と思う恭介